クロージング成功の秘訣:見込み客のタイプに応じたアプローチ法
クロージングの成功は、多くの人が悩む課題ですが、実際には見込み客のタイプを理解し、それに応じたアプローチを取ることで大きく改善することができます。私が提案するのは、「相手からお願いされるクロージング」です。これは、ただ一方的に商品やサービスを売り込むのではなく、見込み客自身がその価値を感じ、自ら進んで契約を求めるようにするアプローチです。
まず、クロージングとは単なる確認作業であるという基本的な考え方をお伝えします。うまくクロージングができない多くの人は、見込み客が「お願いします」と言っていない段階で、早急に説明を始めたり、契約を迫ったりしてしまいます。これでは、見込み客に「売り込まれている」と感じさせてしまい、結果として「少し考えます」や「いりません」と断られることになり易くなります。
そこで重要なのは、見込み客が本当に自分のためになると納得するまで待ち、彼ら自身が「欲しい未来を手に入れるためにはどうすれば良いのか」を理解する手助けをすることです。そのためには、まず見込み客がどのようなタイプの人間であるかを見極める必要があります。
実は、見込み客には大きく分けて二種類の人が存在します。一つは「自己投資をしたことがない人」、もう一つは「自己投資をしたことがある人」です。自己投資をしたことがある人に対しては、通常のトークシナリオで十分対応できます。しかし、自己投資をしたことがない人に対しては、より慎重なアプローチが求められます。
自己投資をしたことがない人は、たとえ少額であっても形のないものにお金を払うことに強い不安を感じます。例えば、1万円程度の支払いでも「騙されるかもしれない」という心のブロックが生じることがあります。これを乗り越えさせるためには、彼らの不安を取り除く工夫が必要です。
一つの方法として、低額の体験セッションを提案することが有効です。このセッションを通じて、お金を払うことへの不安を軽減し、その先にある本契約へのハードルを下げることができます。
例えば、「あなたの未来を達成するためには本契約が必要ですが、その前に有料になりますが、体験セッションを受けてみませんか?」と提案します。この体験セッションでは、見込み客に自分の問題点を認識させ、解決の必要性を感じてもらうことが重要です。ただし、ここで注意すべき点は、セッションが終わった段階で見込み客が「すっきりした」「元気をもらった」「モチベーションが上がった」と勘違いさせないことです。そうなると彼らはそれで満足し、契約に至らない可能性が高くなります。したがって、セッションの目的は、彼らに「まだ何も解決していない」ということを認識させ、本契約が必要である理由をしっかりと理解してもらうことにあります。
特に、自己投資をしたことがない見込み客に対しては、彼らの心のブロックを外すためのトークが必要不可欠です。このブロックを取り除くことができれば、彼らは最初の小さな投資を成功体験として受け入れ、次のステップとして本契約に進む準備が整います。
また、この段階で一度お金を払ってしっかりとした価値を受け取る経験をすると、今後はより高額な契約に対しても抵抗がなくなります。これは、見込み客がこれから受け取ろうとする未来が、支払った金額よりも大きな価値があると理解しているからです。コーチングの本質は、クライアントの人生を変えることにあります。そのために必要なのは、彼らが目指す未来を達成するためのステップを一つ一つ進むサポートをすることです。
最後に、自己投資をしたことがない人が見込み客の場合、1万円程度の商品を一度提案することをお勧めします。これを通じて、彼らの問題点を明確にし、次のステップとして本契約に進む必要性を感じてもらうことができます。そして、体験セッション後に「相手にお願いされるクロージング」を実践することで、より高い成約率を達成できるでしょう。
クロージングは単なる技術ではなく、見込み客との信頼関係を築き、彼らが望む未来を実現するための重要なステップです。ぜひ、今回の記事をクロージングスキルを磨く際にお役立てください。見込み客のタイプを理解し、見込み客に応じたアプローチを取ることで、ビジネスは確実に前進していくことでしょう。