『現状に不安を感じた時は、自分を認めてあげて下さい』
私たちは日々の生活の中で、さまざまな不安に直面します。例えば、金銭的な不安、仕事がうまくいくかどうかの不安、自分に自信が持てないことによる不安、さらにはクライアントが満足する結果を得られるかどうかという不安まで、考え出すときりがありません。そしてこれらの不安が積み重なると、精神的にも大きな負担を感じるようになります。しかし、その不安の多くは、実は自分自身が作り出しているものだと気づいているでしょうか?
### 不安は自分自身が作り出しているもの
たとえば、「お金がない」と感じることがありますよね。しかし、現実には家がなくて住む場所がないわけでも、食べ物が手に入らないわけでもない。それにもかかわらず、私たちは「お金がない」と不安に思ってしまいます。この「お金がない」と感じる心の状態は、実際には私たちが自ら作り出しているものです。
多くの人が、子どもの頃に親から「お金がないから我慢しなさい」「お金がないから無駄遣いはやめなさい」という言葉を聞いた経験があるでしょう。このような経験が、「お金がない」という考え方を心に刷り込んでしまうことがあります。結果として、大人になっても無意識のうちに「お金がない」と感じてしまうのです。そして、その感覚が強くなると、潜在意識が「お金がないほうが良いのだ」と勝手に判断してしまい、さらに「お金がない状態」を作り出すという悪循環に陥ることがあるのです。
例えば、少しお金を手に入れたとしても、すぐに使ってしまって「お金がない状態」に戻ろうとする。このサイクルが続くと、「お金があると落ち着かない」と感じたり、「お金持ちはケチだ」「お金を持つと悪いことが起こる」といった誤った信念を抱いたりしてしまいます。このようにして、お金が貯まらない原因を自ら作り出しているという訳です。
### 不安を感じる理由
では、なぜ私たちは不安を感じるのでしょうか?それは、自分が思ったとおりに物事が進んでいないと感じた時に、不安が生まれるからです。
たとえば、ビジネスにおいて「今月中に30万円の売上を作りたい」と目標を立てたとします。そして今月残り10日で売上がゼロだった場合、その状況に不安を感じるでしょう。この時、まだ10日も残っているのに、すでに「売上が上がらなかった」と未来の失敗を想像してしまうのです。同じように、お金がないと感じるのも、急な出費や欲しいものが買えなかった時に「お金がない」と感じ、不安が募ります。
しかし、現実にはお金がなくなってしまったわけではないにもかかわらず、不安が先行してしまうのです。このように、自分の思考が現実とは異なる方向に走ることで、不安が生まれるのです。
### 不安を解消する方法
不安を解消するためには、まず「自分がどこに不安を感じているのか」を冷静に見つめる必要があります。具体的に自分に問いかけてみましょう。そして、売上に関する不安を抱えている場合、「大丈夫、まだ10日もあるからなんとかなる」と自分に言い聞かせます。同じように、「お金がない」と感じたときも、「大丈夫、今日も3食食べられるし、水道が止まるわけではない。十分に生活できている」と自分を落ち着かせる言葉をかけてみましょう。
こうした自己対話を続けることで、次第に不安は和らいでいきます。不安という感情は、自分自身が作り出しているものです。それを認識し、冷静に対処することで、過度な不安から自分を解放することができます。
### 自分を責めることをやめる
次に重要なのは、「自分を責めることをやめる」ということです。特に、真面目で頭の回転が速い人ほど、自分で自分を責めてしまいがちです。これがさらなる不安を引き寄せ、悪循環に陥る原因となります。
たとえば、目標の売上が達成できなかった場合、「自分は何故できないんだ」「これだけ頑張ったのに失敗した」と、自分を責めてしまうことがあります。こうして、うまくいかなかった原因を自分に押し付けることで、知らないうちにセルフイメージが低下し、気持ちも沈んでしまうのです。
このような状況になるのは、「できない理由」を探し始めると、その理由が自分自身にあると考えてしまうからです。これが続くと、最終的には「自分を責める」という悪い癖がついてしまい、さらに不安や失望を感じやすくなってしまいます。
### 自己責任の罠
自己啓発やNLP(神経言語プログラミング)などでは、「自己責任」という考え方がよく出てきます。これは「他人のせいにしない」というポジティブな思考です。しかし、この「自己責任」の概念を深く追求しすぎると、今度は「自分のせい」として自分を過剰に責めるようになりがちですが、ここは本当に気を付けてください。
たとえば、目標を達成できなかったときに、それをすべて自分の責任としすぎると、「自分はダメな人間だ」という自己批判が始まってしまいます。これが続くと、最悪の場合、精神的に疲弊し、病気になることもあります。
また、自己啓発に関わらず、職場で上司から叱られたり、両親や先生から「ダメな子」と言われ続けた経験がある人は、すでに「自分を責める癖」がついているかもしれません。こうした人たちは、周囲から「できるよ」と励まされても、その言葉を素直に受け入れることができず、自分を否定し続けてしまいます。結果として、その悪い癖をなかなか治せず、人生が辛いものになってしまうのです。
### 自分を認めることの大切さ
不安を感じた時には、まず自分がどこに不安を感じているのかをよく深堀して考え、その不安に対処する方法を見つける様にしましょう。そして、自分を責めることをやめ、むしろ自分自身を認めるように心がけましょう。不安はあくまで自分が作り出しているものであり、それを克服するためには自分に優しく接し、前向きに向き合う姿勢が必要です。
自分を認めることで、少しずつ不安を解消し、心の平穏を取り戻すことができるでしょう。そして、より健全なセルフイメージを築くことができれば、不安に振り回されることなく、目標に向かって前進することができるはずです。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。